相続・空き家


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古家付き売土地が更地渡しで出てくる理由。解体費用を負担しているのは誰か

売土地の広告に「建物解体後にお引き渡し」と書かれているものを、見かけることが増えました。更地にしてから引き渡します、という売り方です。

私たち不動産業者は、レインズという情報サイトで物件を見ています。その中に「売土地」というカテゴリーがあって、所有権か借地権か、古家付きか更地か、いろいろな物件が並びます。地目も宅地だけではなく、田、畑、山林と様々です。

その売土地を見ていて、最近よく思うのが「古家付き売土地」の売り方です。以前は、古家が建ったまま、古家付き売土地としてそのまま売り出されていることが多かった。でも最近は、建物を解体してから引き渡す形がかなり増えています。

買主さんからすると、解体済みの方がありがたい部分もあります。今は解体費用も高いですし、自分で業者を手配しなくて済むからです。

ただ、ここで気になることがあります。

更地渡しなのに、販売価格がそこまで高くなっていない物件が、結構あるんです。

では、解体費用は誰が負担しているのか。当然ですが、売主さんです。引渡し前に解体するので、売主さん側の負担になります。

もし解体費用の分を販売価格に上乗せしているなら、売主さんとしては、売りやすい方法で売ってくれればいい、という考え方もあると思います。でも、価格に十分反映されていなかったらどうでしょうか。

得をするのは誰か、という話になります。

解体業者は、解体工事をするので当然仕事になります。そして仲介業者側も、通常の仲介だけではなく、解体工事の利益が乗る場合があります。

もちろん、違法な話ではありません。ただ、売りやすい、利益も増える。この両方が成立する構造にはなっています。

だから私は最近、こう思うんです。本当に解体が必要なのか、と。

もちろん、建物が崩れている。大きく傾いている。危険性が高い。こういう場合は、昔から解体して売ることは多くありました。そこは今も同じです。

でも、多少古くても、リフォーム前提で使える建物もあります。買主さんによっては、自分で直して住みたいという人もいます。つまり、全部を最初から壊す必要があるとは限らないんです。

解体して更地渡しが悪い、と言いたいわけではありません。ただ、業者に言われたからという理由だけで決めてしまうのは、少し危険だと思っています。

壊してからでは、もう元には戻せません。

だからこそ、本当に解体が必要なのか。現状のままでも売れる可能性はないのか。リフォームして使いたい人はいないのか。費用の負担はどうなっているのか。ここは一度、冷静に考えた方がいいと思います。

私は寝屋川市で不動産の仕事をしていますが、現場を見ていると、そのままでも十分売れたのではないか、と思う建物もあります。

判断に迷うのは当たり前のことです。すぐに答えを出せなくても大丈夫です。不動産は、言われるまま進めるより、内容を理解して判断することが大切だと思っています。

解体するかどうかを決める前に、今の状態でどんな売り方があるのか、費用は誰が負担することになるのか。そこを確かめてから考えても、遅くはありません。まだ売ると決めていない段階でも構いませんので、気になるところだけでも聞いていただけたらと思います。

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空き家になるまでには過程がある。親が元気なうちに家族で話しておきたいこと

雨戸が閉まったままの家。郵便物がいっぱいになったポスト。伸びたままの庭の草。空き家の前を通ると、そんな光景を目にすることがあります。

でも、その家は、ある日突然そうなったわけではありません。少しずつ人が住めなくなっていって、その結果として空き家になっていく。現場を見ていると、そう感じることが多いです。

最初は、普通に生活しています。掃除もしている。買い物も行ける。近所付き合いもある。

でも、年齢を重ねると、少しずつ変わっていきます。膝が痛い。腰が痛い。立ったり座ったりがしんどい。階段を上がるのが嫌になる。日々、動くこと自体が億劫になっていきます。

最初は「今日はしんどいからやめておこう」だったものが、少しずつ増えていく。庭の手入れをしなくなる。掃除の回数が減る。2階へ上がらなくなる。使う部屋が減っていく。それでも、まだ生活は続いています。

ヘルパーさんが来て掃除をしてくれている間は、家の中にも人の出入りがあります。でも、そんなある日、体調を崩して入院する。すると、家の流れが止まります。

ヘルパーさんも来なくなる。郵便物が溜まる。雨戸が閉まったままになる。誰も出入りしなくなる。そうやって、家が止まっていきます。そして、一人で暮らすことが難しくなり、老人ホームへ入ることになる。

もちろん、子供さんたちもいます。ただ、みんな日々忙しい。仕事。子育て。自分たちの生活。最初は気にしていても、少しずつ家へ行く回数が減っていきます。すると、家だけが残ります。

これは、誰かが悪いという話ではありません。責められることでは、ありません。

空き家というと、建物の問題として語られることが多いですが、実際は、人が暮らせなくなっていく過程の結果として空き家になっていることも多いと思います。

だから私は、元気なうちに、この先どうするのかを家族の間で話せる時間を持つことは、大事だと思っています。

売る、売らないではなく、このまま住めるのか。誰が管理するのか。将来どうするのか。早い目に相談できるだけでも、後から大きく違ってくることがあります。

実際、相談へ来られる方の中にも、もっと早く話しておけばよかった、と言われる方もいます。

親が元気な時は、まだ先の話だと思っています。でも、体調を崩してからは、一気に話が進むこともある。だから、元気で動ける時期に、少しだけ話しておく。それだけで、選べる方法が変わってきます。

話す相手は、家族や親族だけとは限りません。友達。近所の方。同じようなことで悩んでいる人も、周りにはいるかもしれません。

自分の親のこと、自分の住まいのこと、将来どうするか。同じように考えている人は多いと思います。だから、いろんな方の話を聞いておく。経験を聞いておく。それも、後々役立つことにつながっていくと思っています。

空き家は、建物だけの問題ではなく、人の暮らしや、家族の時間とも繋がっている。現場を見ていると、そう感じることがあります。

まだ何も決まっていない段階でも大丈夫です。今の家の状態、これからの管理、将来の選択肢。誰かに話してみるだけでも、頭の中が少し整理できると思います。慌てなくて大丈夫ですので、気になったときにお声がけください。

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実家をどうするか決められないとき。まず動けない理由を整理する

誰も住んでいない実家の鍵を開けると、中の空気だけがそのまま止まっているように感じることがあります。仏壇。アルバム。親の荷物。片付けようと思って来たのに、結局そのまま鍵を閉めて帰ってしまう。そういうお話を、よくうかがいます。

実家のご相談では、まだそのままにしておきたいんです、と言われる方が本当に多いです。でも、話を聞いていくと、実は違うこともあります。

本当に残したいわけではない。決めるのが苦しいんです。

親が住んでいた家。自分が幼少期を過ごした場所。家族で笑った記憶。仏壇。アルバム。親の荷物。その空気まで、全部残っている。だから、簡単には動けません。

しかも、親族からどう見られるかも気になります。もう売ったんか。親の家を手放したんか。そう思われたくない。兄弟にも言い出しにくい。揉めたくない。だから、また一年が過ぎていきます。

これは、責められることでは、ありません。

でも、時間は止まりません。人が住まなくなった家は、想像以上の速さで傷みます。草は伸びる。湿気がこもる。近隣にも影響が出始める。固定資産税も払い続けることになります。

そして、一番怖いのは、問題が次の世代へ流れていくことです。子供達には、子供達の生活があります。仕事もある。家庭もある。そこへ、遠方の実家の管理まで背負わせることになる。

これは本当に資産なんでしょうか。それとも、負担なんでしょうか。

もちろん、売却だけが正解ではありません。貸すという方法もあります。管理しながら残す選択もあります。

実際、一年に一回、お盆や正月に帰るだけなら、賃貸にした方が、固定資産税や管理の負担を減らしながら、次の世代へ負ではなく富として残せるケースもあります。

でも、どの選択をするにしても、一番危険なのは、考えることを止めてしまうことだと私は思っています。

実家の問題は、不動産の問題に見えて、実は感情の問題です。だから、簡単ではありません。

売る。貸す。残す。解体する。その前に必要なのは、どうしたいのか、ではなく、なぜ動けないのか、を整理することだと思っています。

私は、早く売りましょう、と言いたいわけではありません。

まずは、気持ちの整理です。親への想い。兄弟との関係。今後の管理。子供達への負担。そこを整理していくと、自然と、見えてくる選択があります。

実家は、単なる建物ではありません。でも、感情だけで止め続けると、いつか誰かが、もっと苦しい形で向き合うことになります。

だからこそ、今、少しだけ考えてみる。それが、家族の未来を守ることにもつながると、私は思っています。

何かを決めるためのご相談でなくても構いません。今はまだ迷っている、という状態のままお話をうかがうことも多いです。売る前提でも、残す前提でもなく、今の状況を一度言葉にしてみる。そこから始めていただけたらと思います。

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相続した実家を共有名義にすると、次の世代で関係者が増えていく

何十年も動いていない空き家を調べていくと、名義が何人にも分かれていることがあります。会ったこともない親戚の名前が並んでいる。そうなると、売るにも貸すにも、まず全員の気持ちをそろえないと前に進めません。

そして、こうなる入口は、たいてい一つの相続です。

実家を残したい。そう言う人は少なくありません。でも実際には、その家にもう何年も行っていないこともある。管理しているのは、別の兄弟だったりします。

逆に、もう整理した方がいい、そう言う人は、冷たいように見えることもあります。でも、その人が、固定資産税、管理、近隣対応、そういう現実を一人で背負っている場合もあります。

だから、相続や空き家の話は難しい。どちらが正しい、ではないからです。

実際には、家を残したいというより、親との思い出を消したくない。そんな感情だったりします。逆に、早く売りたいというより、この先、自分一人では抱えきれない。そう感じていることもあります。

つまり、家の話をしているようで、本当は、それぞれ違う感情を抱えている。だから、話が噛み合わなくなります。

しかも今は、相続登記をしないまま放置することも、難しくなっています。誰かの名義には変えないといけません。手続きそのものの進め方については別の記事で書いていますので、ここでは深く触れないでおきます。

その時に、共有名義にしてしまう。実は、ここから問題が大きくなることがあります。

最初は、兄弟だけの話です。でも、時間が経つ。結婚する。子供ができる。さらに相続が発生する。すると、関係者が増えていきます。

昔は仲が良かった兄弟でも、次の世代になると、親戚付き合いの薄い他人に近くなることもあります。そこで、売りたい、いや残したい、と話が割れる。しかも、人数が増えるほど、まとまりません。

結果、何十年も動かない空き家になる。現場では、実際こういう流れがあります。

だから、相続不動産は、今どうするかだけではなく、次の世代に火種を残さない。そこまで考えることが、大事なんだと思います。

たとえば、先に現金で調整し、一人名義にする。あるいは、司法書士さんや弁護士さんに依頼して、遺産分割協議書を作成して整理する。知識のある不動産業者に相談しながら、査定も含めて進めていく。実際、そうやって、今の世代で終わらせようと動かれるご家族もあります。

親が残してくれたものを、そのままの形で残すことだけが、引き継ぐことではないと思います。時には、現実的な形に変えて、次の世代が前向きに使える状態にする。それもまた、大事な相続なのかもしれません。

親もきっと、子供や孫たちが揉め続けることより、ありがとう、そう言いながら次へ進んでくれることを願っているんじゃないでしょうか。

もし今、うちも少し似ているかもしれない、そう感じたなら、まだ大きく揉める前に、一度、家族で話してみる。あるいは、専門家を交えて整理してみる。

実際、もっと早く相談しておけばよかった、そう言われることは少なくありません。逆に、早めに整理を始めたご家族ほど、感情が大きくこじれる前に、少しずつ前へ進まれているように感じます。

慌てなくて大丈夫です。まずは、今の名義がどうなっているのか。この先、誰が関わることになるのか。そこを確かめるだけでも、話の進め方が見えてきます。今の状況をそのままお話しいただければ、どこから手をつけるか一緒に整理できます。

※この記事は2026年9月時点の情報をもとにしています。制度の詳細や個別の取り扱いについては、法務局や司法書士などの専門家にご確認ください。

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相続不動産は分けにくい。親族間の争いにつながりやすい理由

一人は売りたい。一人は残したい。一人は、今はまだ決めたくない。相続した実家をどうするかという話し合いが、こういう形になることがあります。

売りたい人からすれば、なぜ早く決めないのかと思います。残したい人からすれば、親の家をそんなに簡単に売るのかと思います。決めたくない人は、今は揉めたくないと思っている。同じ家を見ているのに、見えているものが違うのです。

相続というと、財産を分ける話だと思われがちです。もちろん、それは間違いではありません。預金がいくらあるのか。不動産の評価はいくらなのか。誰がどれだけ相続するのか。そういう話は当然あります。

でも、現場で見ていると、相続で揉める理由は金額だけではないことが多いです。むしろ、金額の話をしているようで、本当は過去の不満が出ていることがあります。

親の面倒を見てきたのは私です。兄は何もしてこなかった。実家のことは全部こちらに任せきりだった。それなのに、相続になると同じように権利を主張するのか。こういう気持ちが出てきます。

一方で、別の兄弟姉妹には、また違う言い分があります。自分にも生活があった。遠方に住んでいたから、簡単には動けなかった。親から何も聞いていなかった。実家に近い人だけが、全部決めるのはおかしい。

どちらが正しい、どちらが間違っている、という簡単な話ではありません。それぞれに事情があります。ただ、相続の場面になると、それまで口にしてこなかった感情が、一気に出てくることがあります。

ここが、相続不動産の難しいところです。

そして、もう一つ。不動産そのものの性質があります。不動産は、現金のように簡単には分けられません。

預金であれば、金額を分けることはできます。もちろん、それでも揉めることはあります。でも不動産は、土地や建物そのものを、簡単に人数分で分けることができません。

誰かが住むのか。売って現金にするのか。貸すのか。そのまま残すのか。誰が管理するのか。費用は誰が負担するのか。考えることが多くあります。

ある人には、売却できる財産に見える。ある人には、親との思い出が残る場所に見える。ある人には、管理や固定資産税がかかる負担に見える。ある人には、自分の取り分を左右するものに見える。だから、意見が分かれます。

そして相続では、納得できるかどうかがとても大きくなります。金額だけなら、計算で出せることもあります。でも、感情の納得は、計算だけでは出せません。

たとえ法律上は同じ割合だとしても、それでは納得できないという人が出てくることがあります。親の近くにいた人。介護に関わった人。実家の管理をしてきた人。逆に、距離を置いていた人。事情があって関われなかった人。それぞれの立場によって、感じ方は変わります。

だから、相続不動産の問題は、土地や建物の価値だけを見ていても解けません。本当に見なければいけないのは、その不動産に対して、誰がどんな思いを持っているのか。そして、誰が何を不公平だと感じているのか。

ここを見ないまま、売ればいい、分ければいい、法律通りでいい、と進めようとすると、話がこじれることがあります。

もちろん、法律は大切です。権利関係も大切です。不動産の評価も必要です。でも、それだけでは足りない場面があります。なぜなら、相続不動産には、家族の過去が乗っているからです。

親との関係。兄弟姉妹との距離感。これまで言えなかった不満。自分だけが損をしているように感じる気持ち。そういうものが、不動産をきっかけに出てくる。これが、相続不動産が揉めやすい理由だと思います。

もちろん、すべての相続で揉めるわけではありません。親族同士できちんと話し合い、お互いの立場を理解しながら、スムーズに進むケースもあります。ただ、揉める時には、不動産の価値だけではなく、それまでの関係性や感情が出てくることがあります。

だから私は、相続不動産の相談で、いきなり売却の話だけを進めるのは危ないと思っています。寝屋川市で不動産の仕事を続けてきて、なおさらそう感じるようになりました。

まずは、状況を整理することです。名義はどうなっているのか。相続人は誰なのか。住宅ローンや借入はないのか。固定資産税や管理費は誰が払っているのか。今後、誰かが使う予定はあるのか。売ることに反対している人はいるのか。

そして、もう一つ大事なのは、親族の中で何が引っかかっているのかを整理することです。お金の問題なのか。思い出の問題なのか。親の面倒を見たことへの不満なのか。兄弟姉妹への不信感なのか。配偶者や周囲の意見が入っているのか。ここを見ないと、本当の問題が分からないことがあります。

相続不動産は、ただの財産ではありません。家族や親族の歴史が残っている場所です。だからこそ、扱い方を間違えると、親族間の争いにつながります。でも、最初から丁寧に整理すれば、揉め方を小さくできることもあります。

大切なのは、誰かを責めることではありません。誰が得をするかだけを見ることでもありません。その不動産をどうすることが、関係する人たちにとって一番よいのか。そして、次の世代に余計な負担を残さないためには、どう向き合うべきなのか。そこを考えることだと思います。

分けにくい財産だからこそ、順番に整理していけば進みます。名義のこと、費用のこと、親族の間で引っかかっていること。何から手をつけるか分からないという段階からでも、お話をうかがえます。

まだ何も決めていない段階でも大丈夫です。慌てなくて大丈夫です。

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