実家をどうするか決められないとき。まず動けない理由を整理する

    誰も住んでいない実家の鍵を開けると、中の空気だけがそのまま止まっているように感じることがあります。仏壇。アルバム。親の荷物。片付けようと思って来たのに、結局そのまま鍵を閉めて帰ってしまう。そういうお話を、よくうかがいます。

    実家のご相談では、まだそのままにしておきたいんです、と言われる方が本当に多いです。でも、話を聞いていくと、実は違うこともあります。

    本当に残したいわけではない。決めるのが苦しいんです。

    親が住んでいた家。自分が幼少期を過ごした場所。家族で笑った記憶。仏壇。アルバム。親の荷物。その空気まで、全部残っている。だから、簡単には動けません。

    しかも、親族からどう見られるかも気になります。もう売ったんか。親の家を手放したんか。そう思われたくない。兄弟にも言い出しにくい。揉めたくない。だから、また一年が過ぎていきます。

    これは、責められることでは、ありません。

    でも、時間は止まりません。人が住まなくなった家は、想像以上の速さで傷みます。草は伸びる。湿気がこもる。近隣にも影響が出始める。固定資産税も払い続けることになります。

    そして、一番怖いのは、問題が次の世代へ流れていくことです。子供達には、子供達の生活があります。仕事もある。家庭もある。そこへ、遠方の実家の管理まで背負わせることになる。

    これは本当に資産なんでしょうか。それとも、負担なんでしょうか。

    もちろん、売却だけが正解ではありません。貸すという方法もあります。管理しながら残す選択もあります。

    実際、一年に一回、お盆や正月に帰るだけなら、賃貸にした方が、固定資産税や管理の負担を減らしながら、次の世代へ負ではなく富として残せるケースもあります。

    でも、どの選択をするにしても、一番危険なのは、考えることを止めてしまうことだと私は思っています。

    実家の問題は、不動産の問題に見えて、実は感情の問題です。だから、簡単ではありません。

    売る。貸す。残す。解体する。その前に必要なのは、どうしたいのか、ではなく、なぜ動けないのか、を整理することだと思っています。

    私は、早く売りましょう、と言いたいわけではありません。

    まずは、気持ちの整理です。親への想い。兄弟との関係。今後の管理。子供達への負担。そこを整理していくと、自然と、見えてくる選択があります。

    実家は、単なる建物ではありません。でも、感情だけで止め続けると、いつか誰かが、もっと苦しい形で向き合うことになります。

    だからこそ、今、少しだけ考えてみる。それが、家族の未来を守ることにもつながると、私は思っています。

    何かを決めるためのご相談でなくても構いません。今はまだ迷っている、という状態のままお話をうかがうことも多いです。売る前提でも、残す前提でもなく、今の状況を一度言葉にしてみる。そこから始めていただけたらと思います。

    相続・空き家・認知症の無料レポートを受け取る

    お問い合わせ・無料相談はこちら