売り出してから数か月が経つのに、内覧の連絡が来ない。価格はすでに何度か下げている。そういう状態でご相談に来られる方がおられます。
始まりは、期待だったはずです。
最近は、査定価格を高く出した不動産会社に販売を任せる売主さんも増えています。気持ちは分かります。同じ物件なのに、A社は2,500万円、B社は2,800万円、C社は3,100万円。そう言われれば、高い会社に期待したくなります。
売主さんが悪いわけではありません。ほとんどの方は、査定価格の仕組みをご存じありません。責められることでは、ありません。
本来は、近隣の成約事例や、現在の市場状況を見ながら、どの価格帯なら動くのかを考えるものです。ただ、不動産業者の中にも、きちんと根拠を説明できないまま査定価格を出しているケースがあります。他社より少し高く出す。さらに別の会社が、もっと上を出す。こうして、査定価格の競争になっていくことがあります。
ただ、問題はその後です。ここから先は、価格の話というより、時間の話になります。
実際には、その価格では動きません。問い合わせが入らない。案内も来ない。
最初の一か月は、まだ待てます。これから反響が出ますよと言われれば、そうかと思えます。二か月、三か月と経つうちに、途中から、価格を見直しましょうという話になります。
そして、少しずつ価格が下がっていきます。下げた直後は、また少し期待します。でも、また静かな時間が続く。そして、また見直しの話が出る。
この繰り返しが、売主さんを一番疲れさせます。
内覧が無い。問い合わせも少ない。本当に売れるのだろうか、という不安が積み重なる。最初は期待だったはずの高い価格が、数か月経つ頃には、重荷に変わっていきます。
現場では、こういう流れを何度も見てきました。寝屋川や枚方のあたりでも、同じような状態からのご相談を受けることがあります。
もちろん、高くても売れるケースはあります。外国籍の方も含め、以前より高値で購入する人も増えています。だから、一概に、高い査定は悪い、という話ではありません。
ただ、売主さんに期待だけを持たせて、長い期間疲れさせてしまう売り方を、私は違うと思っています。
そして、時間が経つほど、物件そのものが見られにくくなっていくこともあります。レインズには登録しているものの、間取り図が無い。住所が途中までしか出ていない。概要だけの掲載になっている。そういう状態の物件もあります。広告にも費用がかかりますので、売れる価格帯に近づくまで、販売活動に温度差が出るケースもあります。
つまり、高い価格で止まっている間は、値段が高いからという理由だけでなく、そもそも買主さんの目に触れていない、ということも起こり得ます。待っている時間が、そのまま販売活動の時間になっているとは限らないわけです。
だからこそ、査定価格を見るときは、いくらで売れるかだけではなく、なぜその価格なのかを聞いておくことが大切だと思っています。
そして、すでに売り出してしまっている方も、途中で立ち止まって構いません。価格や売り方を見直すことは、失敗ではありません。これまでの数か月分の疲れを抱えたまま、同じやり方を続ける必要もないと思います。
今の価格のまま動きがない。このまま下げ続けるのが不安になってきた。そういう段階でのご相談も受けています。売り方を変えるかどうかは、状況をお聞きしてから、一緒に考えていきます。
