希望の家が見つからない。家探しで変えられる条件と、中古住宅という選択

    週末になるたびに、物件情報のページを開く。新着のお知らせが届く。写真を見て、地図を見て、そっと閉じる。

    家を探し始めて何か月かたつと、そういう時間が続くことがあります。

    このとき本当に難しいのは、待つことではありません。条件のどこを動かせばいいのかを、自分たちだけで決めることです。

    住宅を探し始めるとき、多くの方が自分たちなりの条件を決めます。住みたい地域。土地の広さ。間取り。駅からの距離。駐車場。そして、購入に使える予算。

    あるお客様も、ある程度の物件総額を調べたうえで、家探しを始められました。希望する地域もあり、その地域で土地を購入して、新築住宅を建てたいという考えを持っておられました。

    ところが、探し始めてみると、なかなか思うような土地が見つかりません。

    予算に合う土地があっても広さが足りない。広さがあっても周りの環境が希望と違う。条件を入れて探せば物件は出てきますが、「ここに住みたい」と思える土地にはなかなか出会えませんでした。

    そこで、最初に考えていた地域だけに絞るのをやめ、探す範囲を広げることにされました。

    場所を広げれば見つかるかもしれない。

    そう考えて探し直しましたが、それでも簡単には見つかりません。

    こういうとき、物件を探し続けていると、最初は何となく考えていた条件の中から、「これは譲れる」「これは譲りたくない」というものが少しずつ見えてきます。

    このお客様の場合、土地の広さは譲りたくないという思いがありました。一方で、駅まで歩けることには強くこだわらず、バス便でもかまわない。駅近よりも、住宅の多い落ち着いた住宅地の方がいい。交通量の多い道路沿いは避けたい。治安も気になる。

    駐車場も必要です。できれば車を2台停めたい。2台が難しくても、車を1台停めたうえで、自転車を2台くらい置けるスペースは欲しい。

    こうして一つずつ整理していくと、最初に考えていた「地域」よりも、「土地の広さ」や「周辺環境」の方が大切だったことが分かってきます。

    ただ、それが分かっても、まだ物件は見つかりません。

    最初は新築住宅を建てることにもこだわりを持っておられました。新しい家に住みたい。自分たちが使いやすいように間取りや設備を考えたい。住宅を購入するなら、できれば新築で。そう考えておられました。

    しかし、土地の広さ、周辺環境、駐車スペース、予算、新築という条件をすべて合わせようとすると、選べる物件はどんどん少なくなります。

    そこで、もう一つ考え方を変えることになりました。

    新築だけではなく、中古住宅も見てみよう。

    この一つを変えたことで、物件探しの幅が広がりました。そして、ようやく希望に近い住宅が見つかりました。

    最初に考えていた地域ではありません。予算も、当初考えていた金額より少し上がりました。

    それでも、土地には希望していた広さがあり、周辺は住宅の多い住宅地。交通量もそれほど多くなく、駐車スペースもある。建物の間取りも、これまで見てきた物件の中では希望に近いものでした。

    何件も探して、何度も「違うな」と感じてきたからこそ、その物件を見たときに「ここなら」と思えたのだと思います。

    そして、中古住宅に決めたことで、そこで終わりではありませんでした。

    建物の中はフルリノベーションをする予定です。キッチンやお風呂、洗面化粧台などの設備は新しくなります。内装も新しくなり、自分たちが生活しやすいようにトイレを増設することも考えています。

    最初は「中古住宅も見てみよう」というところから始まりました。ところが、リノベーションの話が進み、「ここはこうしよう」「この設備を入れよう」「ここにトイレがあれば使いやすい」と話しているうちに、少しずつ雰囲気が変わってきました。

    それまでは、見つからない物件を探し続ける時間でした。

    今は、これから暮らす家をどう作っていくかを考える時間になっています。

    同じように迷っていても、中身がまるで違います。

    探している間は、迷っても答えが出ません。この物件は違う。あの物件も違う。断り続けているうちに、条件が高すぎるのだろうか、自分たちの考えが甘いのだろうかと、だんだん自分の方を疑うようになります。何度もそれが続くと、家探し自体が重くなってきます。

    ただ、見つからないのは、条件が高すぎるからとは限りません。まして、探し方が悪かったわけでもありません。その時期に、条件に合う物件が出ていなかっただけ、ということもあります。

    ところが、買う家が決まってからの迷いは、そうではありません。トイレをどこに増やすか。この壁は抜けるのか。洗面はどれにするか。決めることは前より増えていますが、どれも自分たちの暮らしを決める話です。決めれば決めた分だけ、家が自分たちの形に近づいていきます。

    しかも、中古住宅ですから、現物があります。図面の上で想像するのではなく、その場所に立って、この部屋をこうしよう、ここに扉があれば通りやすいと考えられます。今回も、家の中を歩きながら話しているうちに、話がどんどん具体的になっていきました。

    新築住宅ではありません。でも、建物の中は新しい設備になり、自分たちが使いやすいように手を入れていくことができます。

    最初に思い描いていた形とは少し違いますが、自分たちらしい住宅に近づいていくことで、ワクワク感も少しずつ大きくなってきています。

    もちろん、予算は当初より少し上がりました。そこで住宅ローンについても考える必要が出てきます。

    月々の支払いを大きく増やしたくない。でも、せっかく見つけた希望に近い住宅を諦めたくない。

    住宅ローンの返済期間を長くすることで、月々の返済額を考えていた金額に近づけることができました。その結果、購入に向けて話を進めることができています。

    ただ、これは良いことばかりではありません。返済期間が長くなれば、その分だけ支払う利息は増えます。月々が楽になる代わりに、総額では増えるということです。

    ここも、はっきりお伝えしておきたいところです。そのうえで、月々いくらまでなら無理なく続けられるのか、総額はどこまでなら納得できるのか。両方を見て決めていただきました。

    今回のお客様も、最初から今の形を考えていたわけではありません。希望していた地域も違いました。新築住宅を建てるつもりでしたし、予算も今とは少し違いました。

    物件を探しても見つからない。そのたびに、「何を変えれば、希望に近づけるのか」を一つずつ考えてきました。

    地域を広げる。譲れるものと譲れないものを分ける。新築だけでなく中古住宅まで広げる。見つかった家が100点でなければ、リノベーションで自分たちの暮らしに近づける。予算が少し上がれば、住宅ローンの組み方も考える。

    一つずつ見ると、小さな変更です。

    でも、その小さな変更を重ねたことで、それまで見えていなかった住宅が候補に入ってきました。

    家を探していると、「この条件では、もう見つからないのかな」と思うことがあります。

    そんなときに難しいのは、何を変えればいいのかを自分たちだけで決めることです。

    地域を変えるのか。予算を変えるのか。新築を諦めるのか。それとも、中古住宅を買ってリノベーションするのか。

    一つを変えると、ほかの条件も変わります。

    だから私は、物件だけを見るのではなく、地域、土地の広さ、間取り、周辺環境、予算、住宅ローン、そして中古住宅ならリノベーションまで含めて考えるようにしています。

    希望する地域ではなかなか出てこない。予算を上げるべきか迷っている。新築にするか中古住宅にするか決められない。中古住宅を買って、どこまで直せるのか分からない。住宅ローンをどこまで組んでいいのか分からない。そのあたりで家探しが止まっているのであれば、一度お話を聞かせてください。

    購入する物件が決まっていなくてもかまいません。今の希望をうかがって、これは残したい、ここなら動かせそう、というところから一緒に整理します。

    条件を全部下げる必要はありません。

    今回のお客様のように、譲りたくないものを残したまま、ほかの条件を少し動かすだけで、それまで見えていなかった選択肢が出てくることがあります。

    急いで答えを出さなくても大丈夫です。探すのに少し疲れてきたと感じたときこそ、条件を一度並べ直してみる。そこから、止まっていた家探しが動き出すことがあります。

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