
不動産の相談を受けるとき、
まず登記簿を確認します。
土地の面積。
建物の種類。
構造。
床面積。
所有者。
登記簿を見ることで、
その不動産の基本的な内容は分かります。
でも、登記簿だけで全部が分かるわけではありません。
特に中古物件の場合は、
今までに誰が、いつ、何をしたのか。
それが分からないことがあります。
新築であれば、
いつ建てたのか。
誰が建てたのか。
どのような建物なのか。
ある程度、資料がそろっていることが多いです。
でも中古物件は違います。
途中で増築しているかもしれない。
一部を壊しているかもしれない。
物置を置いただけかもしれない。
昔の所有者が何か手を加えているかもしれない。
所有者が何度も変わっていると、
今の所有者でも、過去のことが分からないことがあります。
相続した不動産なら、なおさらです。
親が住んでいた家。
祖父母の代からある家。
昔に増築したような気がする。
でも、誰に聞いてもはっきり分からない。
こういうことは実際にあります。
そこで確認するのが、
登記簿だけではありません。
評価証明書も確認します。
評価証明書には、
役所が固定資産税の評価のために把握している内容が書かれています。
ここで、登記簿に書かれている建物の床面積と、
評価証明書に書かれている床面積が違っていることがあります。
たとえば、
登記簿よりも評価証明書の床面積の方が大きい場合。
この場合、
登記はされていないけれど、
役所ではすでに増築部分などを把握していることがあります。
つまり、
登記簿には載っていない。
でも、固定資産税の評価には入っている。
こういうことがあります。
反対に、
登記簿の建物面積の方が大きく、
評価証明書の床面積の方が少ない場合もあります。
この場合も、
すぐにどちらが正しいとは言えません。
過去に一部を取り壊したのか。
増築したのか。
役所の把握と登記の内容にズレがあるのか。
昔のまま書類だけが残っているのか。
一つずつ確認していく必要があります。
そして、建物がある場合は、
建築計画概要書を見ることもあります。
建築確認を受けたときの内容が分かることがあるからです。
また、法務局で建物図面や各階平面図を確認することもあります。
登記されている建物が、
どのような形で、
どのような床面積として登記されているのか。
その根拠を見るためです。
役所に家屋図がある場合は、
それを確認することもあります。
役所がその建物をどのように把握しているのか。
配置や形がどうなっているのか。
そういったことが分かる場合があります。
ただし、古い建物の場合、
すべての資料が残っているとは限りません。
建築計画概要書がない。
建物図面がない。
家屋図がはっきりしない。
そういうこともあります。
だからこそ、現地を見ることが大切になります。
書類では土地だけのように見えても、
現地に行くと建物らしきものがあることがあります。
古い物置。
小屋。
倉庫のようなもの。
増築したような部分。
ただ、それをすぐに
「未登記建物です」
と決めつけることはできません。
建物として登記できるものなのか。
それとも、土地の上に置いているだけの物置なのか。
地中に基礎があるのか。
土地にしっかり定着しているのか。
簡単に移動できるものなのか。
このあたりによって、扱いが変わります。
見た目は建物のようでも、
登記の対象にならないものもあります。
逆に、古くても、
登記の対象になる建物であれば、
売却前に確認が必要になることがあります。
ここをあいまいにしたまま売却を進めると、
途中で問題になることがあります。
特に、買主さんが住宅ローンを使う場合です。
金融機関は、
土地や建物を担保として見ます。
ところが、敷地内に未登記の建物があると、
その部分を担保として取れない場合があります。
そのため、金融機関から、
「登記をしてください」
「登記できないものなら撤去してください」
「この状態では融資が難しいです」
という条件が付くことがあります。
売主さんからすれば、
「昔からある物置です」
「親が使っていただけです」
「大したものではありません」
という感覚かもしれません。
でも、買主さんが住宅ローンを使う場合、
金融機関の判断に関わってきます。
売る側が問題ないと思っていても、
買う側のローンで話が止まることがあるのです。
だから、中古物件は、
登記簿だけで判断しない方がいい。
書類に書かれていること。
役所が把握していること。
現地にあるもの。
この3つが同じとは限りません。
では、どうすればいいのか。
まずは、今の状態を整理することです。
ただ、ここが難しいところです。
登記簿と評価証明書の面積は合っているのか。
現地に建物や物置はあるのか。
増築したような部分はないのか。
登記されていない建物らしきものはないのか。
住宅ローンを使う買主さんに売れる状態なのか。
売る前に登記や撤去の確認が必要なのか。
本当は、このあたりを先に整理しておくことが大切です。
でも、一般の方だけで判断するには難しい部分だと思います。
登記簿を見ても、
どこを見ればいいのか分からない。
評価証明書を取っても、
登記簿と面積が違う理由までは分からない。
現地に物置や小屋があっても、
それが登記できる建物なのか。
撤去した方がよいものなのか。
そのままでよいものなのか。
判断に迷うと思います。
だから、最初から全部を自分たちだけで調べようとしなくても大丈夫です。
まずは、分かる範囲で構いません。
登記簿があれば、その写し。
評価証明書があれば、その内容。
固定資産税の通知書があれば、その写真。
現地の写真があれば、それだけでも構いません。
メールやLINEで送っていただければ、
どこを確認した方がよいのか。
何が気になる点なのか。
次に何を調べればよいのか。
一緒に整理することができます。
売ると決めていなくても構いません。
貸すか残すかで迷っていても構いません。
むしろ、売る、貸す、残すを決める前に、
今の状態を知っておくことが大切です。
不動産は、
問題が出てから慌てて調べると、
売却の途中で話が止まることがあります。
買主さんが見つかったあとに、
金融機関から条件が付く。
契約前になって、
未登記部分の確認が必要になる。
解体が必要なのか。
登記が必要なのか。
誰に確認すればよいのか。
そこで分からなくなると、
売主さんも買主さんも困ります。
だから私は、
早い段階で一度、状態を整理しておくことをおすすめしています。
売却を急がせるためではありません。
今の状態を整理して、
売れるのか。
貸せるのか。
残すなら何をしておくべきか。
その判断材料をそろえるためです。
相続した家。
長年住んでいた家。
古い中古住宅。
何度か所有者が変わっている物件。
こういう不動産は、
登記簿だけを見ても分からないことがあります。
「うちの家は大丈夫かな」
「評価証明書と登記簿の面積が違う」
「物置があるけれど、これは問題になるのか」
「売る前に何を確認すればいいのか」
そう思われた方は、
まずはメールやLINEでご相談ください。
手元にある書類や写真を見ながら、
どこから確認すればよいのか、
一緒に整理します。
不動産は、
あとから分かったでは困ることがあります。
でも、最初から難しいことを全部分かっている必要はありません。
まずは、今ある資料と現地の状態を確認すること。
そこから始めればいいと思います。
