「親が認知症になったら、実家は売れなくなる」と聞いて、不安になった方へ

    親と子が向き合って会話する様子

    実家に帰るたびに、ちょっと気になることが増えてきた。
    同じ話を、何度も繰り返すようになった。
    火の始末が、少し危なくなってきた。

    そんな変化に気づきながらも、「まだ大丈夫」と、自分に言い聞かせている。
    そういう方は、少なくありません。

    「実家が売れなくなる」は、本当です

    先に、大事なことをお伝えします。

    親が認知症と診断され、判断能力がないとみなされると、その名義の家は、子供であっても勝手に売却できなくなります。
    これは大阪でも東京でも、どこでも同じ法律の話です。

    売るには「成年後見制度」を使うしかなくなりますが、申立ての準備から後見人が決まるまでに、3〜6か月。
    そこから売却を進めると、1年以上かかることも珍しくありません。
    しかも後見人がいったん付くと、本人の生活に必要な範囲でしか財産を動かせなくなります。

    寝屋川市や枚方市でも、「実家をどうするか、そろそろ決めないと」と話していたご家族が、親の診断をきっかけに身動きが取れなくなったケースを、何度も見てきました。

    責められることでは、ありません

    ここまで聞くと、「うちも今すぐ動かないと」と、焦ってしまうかもしれません。

    でも、これは誰のせいでもありません。
    親が元気なうちは、お金や実家の話を切り出しにくいものです。
    「まだ早いかな」「水を差すようで気が引ける」と感じるのは、ごく自然なことです。

    「家族信託」という、もう一つの道

    もし親がまだ元気で、判断能力があるうちなら、「家族信託」という選択肢があります。

    あらかじめ家族間で契約を結び、実家の管理や売却を子供が担えるようにしておく仕組みです。
    成年後見制度と違い、「介護施設の費用が必要になったら実家を売る」といった、柔軟な対応を契約の範囲内であらかじめ決めておけます。

    ただし、家族信託を結べるのは、親に判断能力があるうちだけです。
    診断が出てからでは、選べません。
    その意味で、これは「今すぐ実家を売る話」ではなく、「将来、困らないための準備」の話です。

    今日決めなくても、大丈夫です

    とはいえ、今日明日で契約を決める必要はありません。

    まずは、今の実家の状況と、親の様子を整理してみる。
    それだけでも、次に何をすればいいかが見えてきます。

    一人で、あるいはご兄弟だけで抱え込まなくて大丈夫です。
    まずは今の状況を、不動産や相続にくわしい人に話してみることから、始めてみませんか。

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