
購入から十数年たって、子どもが独立した。あるいは、転勤の話が出た。
そのときに思い出すのが、契約のときに聞いた一言です。
「再建築する場合、現在と同等の大きさの建物を建てることはできません」
この家は、もう売るしかないのだろうか。そう考えてしまう方がいます。けれど、そこで道が一本に決まるわけではありません。
建ぺい率や容積率を超えている住宅でも、購入したあとに何か特別なことをしなければならないわけではありません。今ある建物を使い、そのまま住み続けることができます。
住宅ローンを利用できる金融機関があり、立地、価格、間取り、部屋数、駐車場、建物の状態などが希望に合えば、中古住宅として購入されています。
ただし、購入したあとも、建ぺい率や容積率を超えている状態は残ります。
将来、自分が住まなくなったときに、必ず売らなければならないわけではありません。
選択肢の一つは、賃貸住宅として貸すことです。
駅や買物施設に近い。駐車場がある。部屋数が多い。そうした住宅であれば、自分が住まなくなったあと、家族向けの賃貸住宅として利用できる可能性があります。寝屋川市や枚方市でも、駅に近い一戸建てを貸したいというご相談は珍しくありません。
売却すれば、その時点で住宅を手放すことになります。一方、賃貸にすれば、家賃収入を受け取りながら所有を続けることができます。
もちろん、貸す前には建物の状態を確認し、必要な修理を行います。家賃をいくらにするのか。固定資産税や修繕費を支払っても収支が合うのか。そこは計算する必要があります。
それでも、売却だけではなく、貸して残すという方法があります。
もう一つ考えられるのが、隣の土地を購入することです。
現在の土地だけで建て替える場合、今と同じ大きさの家を建てられないことがあります。しかし、将来、隣の土地が売りに出され、その土地を購入できれば、状況は変わります。
隣地を取得し、現在の土地と一体の敷地として利用できれば、土地全体が広くなります。建ぺい率や容積率は土地の広さを基に計算するため、建てられる建物の大きさも変わります。
現在の土地だけでは、今と同じ部屋数や駐車場を確保できなくても、隣地を合わせることで、現在に近い大きさの住宅を建てられる可能性があります。
隣の建物と現在の建物を一体にして利用する方法や、将来、二つの建物を取り壊し、一つの住宅に建て替える方法も考えられます。
隣地が売りに出るかどうかは分かりません。売りに出ても、価格が合わないこともあります。
それでも、隣地を購入して土地を広げることは、将来の選択肢の一つです。
もちろん、売却する方法もあります。
建ぺい率や容積率を超えている住宅でも、中古住宅として売買されています。
売却するときには、自分が購入したときと同じように、建ぺい率や容積率を超えていることや、再建築する場合には現在と同等の大きさの建物を建てられないことを、次の買主へ説明します。
住宅ローンについても、取り扱う金融機関と取り扱わない金融機関があります。別の記事にも書いた通り、自分が購入したときに住宅ローンを利用できたからといって、将来の買主も同じ金融機関、同じ条件で利用できるとは限りません。金融機関の取り扱い基準は変わることがあります。
ただ、取り扱う金融機関があれば、次の買主も住宅ローンを使って購入できます。
現在の建物を取り壊し、建て替えるという方法もあります。ただし、建て替えれば、今の基準に合わせて建物を建てることになります。
今と同じ部屋数や駐車場を確保できるとは限らず、建物の大きさが今より小さくなる可能性があります。その代わり、建ぺい率や容積率を超えている状態そのものは解消されます。
建ぺい率や容積率を超えている住宅を購入したからといって、将来の方法が売却だけに限られるわけではありません。
そのまま住み続ける。自分が住まなくなれば、賃貸住宅として貸す。隣地が売りに出れば、購入して土地を広げる。必要になった時点で売却する。現在の建物を取り壊し、今の基準に合わせて建て替える。
いくつかの方法があります。
購入するときに説明を受ける、「再建築すると、現在と同等の大きさの建物を建てることはできません」という言葉だけで、その家の将来が決まるわけではありません。
将来、家族の人数が変わり、今と同じ広さを必要としていないかもしれません。自分で住まず、賃貸住宅として活用しているかもしれません。隣地を購入し、土地が広がっているかもしれません。
建ぺい率や容積率を超えているという条件は、購入後も残ります。
しかし、その家に住めなくなるわけでも、将来必ず売らなければならないわけでもありません。
実際にどの方法が合うかは、建物の状態、土地の広さ、周辺の賃貸需要、隣地の状況、住宅ローンの残額などによって変わります。
急いで結論を出さなくても大丈夫です。まだ何も決めていない段階で構いません。
物件資料を見ながら、住宅ローン、再建築、売却、賃貸など、その家に考えられる選択肢を一つずつ整理します。所有している家のことでも、これから買おうとしている家のことでも、お気軽にご相談ください。
※この記事は2026年8月時点の情報をもとにしています。制度の詳細や個別の取り扱いについては、自治体の建築担当窓口・金融機関・専門家にご確認ください。
