離婚時の不動産の財産分与とは?査定は必要?ローンが残っている場合・残って場合についてそれぞれ解説
最近では、婚姻関係にある夫婦の3組に1組が離婚しており、それに伴う不動産の財産分与についての問題も増加しています。
不動産は財産分与が複雑なので、慎重に行いたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、離婚のために不動産の財産分与をしたいけど、
- 住宅ローンを完済している場合の財産分与について知りたい
- 住宅ローンがまだの場合の財産分与について知りたい
- 不動産の名義変更はどうなるのか知りたい
- 夫婦間でトラブルになって解決できないときの対処法が知りたい
- 不動産査定をするか迷っているけど、査定は必要なのか知りたい
という悩みや疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、離婚が原因で不動産の財産分与をしたいけど、どうしていいのか分からないという疑問を解決していきます。
記事の最後では、大阪府枚方市・寝屋川市、京阪沿線で離婚に伴う不動産問題のオンライン相談ができる弊社「有限会社ライフステージ」についても紹介いたします。離婚に伴う不動産の売却・査定などでお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
財産分与とは
財産分与とは、結婚関係にある夫婦が離婚するときに、夫婦が結婚期間中に協力して作り上げてきた財産を公平に分けることをいいます。
この財産分与は、夫婦で共有していた財産がある場合は必ず離婚時に発生するものです。
夫婦が離婚までに暮らしていた戸建てやマンションなどの不動産についても、財産分与の対象になります。
住宅ローンがない場合、離婚したら財産分与はどうなる?
夫婦が結婚生活で使用していた一戸建てやマンションなどの財産分与は、
- 夫が取得する場合
- 妻が取得する場合
- 売却して現金化する場合
- 共有する場合
によって異なります。
そのため、まずは上記4つのうち、どれにするのかを決めなければいけません。 共有する場合もありますが、離婚するわけなので共有という選択肢はあまり考えられません。
そのため、ここからは住宅ローンがない場合の不動産を「夫が取得する場合」「妻が取得する場合」「売却して現金化する場合」の3つに絞って、これら3つについてそれぞれ解説していきます。
※ここからの説明では不動産以外の財産がないものとして解説します。
夫が不動産を取得する場合
不動産を取得する場合は、まずは専門家などに依頼して不動産の時価を査定します。
不動産の時価は適切に評価してください。
そして不動産の時価を査定した後は、妻へ査定額の2分の1を分与します。
妻が不動産を取得する場合
妻が不動産を取得する場合も、基本的には夫が不動産を取得する場合と同じで、夫へ査定額の2分の1を分与します。
しかし、現在の日本では、妻は専業主婦やパートなどをしていて収入が低い場合も少なくありません。
このような場合は、話し合いで解決できない限り、妻が不動産を得ることは難しくなります。
それでは取得するのが難しい場合、妻が該当の戸建てやマンションに住み続けるにはどうしたらいいのでしょうか。
結論から言うと、使用貸借や賃貸という方法を取って住むことができます。
家賃を支払って住む賃貸借とは異なり、使用貸借の場合は賃料が発生しないのが特徴です。
特に離婚する夫婦間の間に子どもがいて妻が引き取る場合、急激な環境の変化は子どもにとっても大きなストレスになるので、このような方法を取ることがあります。
売却して現金化する場合
不動産を売却する場合は単純で、売却して得た金額を2人で2分の1ずつ分けます。
財産分与の方法はシンプルですが、「希望の金額で売却できるかどうか」「そもそも売却が可能かどうか」が問題になります。
できるだけ夫婦が希望している金額で売却できるよう、信頼できる専門家に相談し、不動産査定してもらうようにしましょう。
住宅ローンが残っている場合、離婚したら財産分与はどうなる?
ここまでは、住宅ローンが残っていない場合の財産分与について説明してきました。
それでは、住宅ローンが残っている場合はどのように財産分与したらいいのでしょうか。
住宅ローンが残っている場合は、住宅ローンが残っていない場合に比べて財産分与の方法が難しくなります。
住宅ローンが残っている場合の財産分与のやり方も、残っていないときと同じように、「夫が取得する場合」「妻が取得する場合」「売却して現金化する場合」の3つのパターンに分けてそれぞれ解説していきます。
夫が不動産を取得する場合
住宅ローンが残っている場合の不動産の評価は、時価から残ローンを控除することで算出されます。 また、夫が不動産を取得する場合は、不動産の時価が残ローンよりも大きいときと残ローンが不動産の時価よりも大きいときで異なります。
不動産の時価が残ローンよりも大きいとき
不動産の時価が残ローンよりも大きいときは、上回っている額が不動産の評価額になります。
この場合は、夫が妻に対してその評価額の2分の1を分与します。
残ローンが不動産の時価よりも大きいとき
残ローンが不動産の時価よりも大きいとき、妻には財産分与請求権が発生しないので注意が必要です。
しかし、残ローンの支払いについては、不動産を取得する権利がある夫の義務になります。
妻が不動産を取得する場合
妻が不動産を取得する場合も、基本的には夫が不動産を取得する場合と同じです。
しかし、日本では住宅ローンの債務者を夫名義にしている場合が圧倒的に多いのが現状です。
そのため、離婚が成立しても返済義務者は夫のままで、離婚問題と債務者についての問題は切り離して考えることになります。
つまり住宅ローンの債務者が夫名義の場合は、返済義務者を夫のままにし、妻が残ローンを支払っていくという約束をすることで、不動産の所有権を分与してもらうという方法がとられます。
しかし、住宅ローンがない場合でも解説した通り、日本の場合は妻の収入が低い場合が圧倒的に多いのが現状です。
そのため、「妻が評価額の2分の1を夫に支払うこと」「妻が残ローンを支払い続けること」が難しいというケースが多く発生します。
話し合いで解決できるのが1番いいですが、話し合いで解決できない場合もあるでしょう。
その場合はローンがない場合と同様に、夫が不動産を取得して妻が賃貸や使用貸借などの方法を取ることになります。
売却して現金化する場合
不動産を売却して現金化する場合は、ローンがないときと同様に売却代金を2分の1ずつ財産分与します。
財産分与の方法はシンプルですが、売却の場合問題になるのが先述の通り、希望金額で売却できるかどうかです。
離婚をした場合は、残ローンが不動産価値よりも大きくなってしまうオーバーローンが多いのが現状です。
オーバーローンの場合では、債権者の銀行の承諾が必要となりますが、銀行の承諾を得るのは非常に難しくなります。
そのため、オーバーローンの不動産については、銀行と交渉する必要があります。 銀行と交渉する場合は、専門家に相談してアドバイスをもらうのも1つの方法です。
不動産の名義変更に注意が必要
離婚で財産分与するときは、法務局で忘れずに登記するようにしましょう。
不動産の所有権は目に見えない「権利」です。
そのため、不動産登記をしていない場合は、第3者にその権利を主張できません。
第3者に不動産の所有者が誰かをはっきりさせるためにも、必ず登記する必要があります。
ちなみに、登記情報は法務局で誰でも確認できます。
また、先ほど夫婦で住んでいた戸建てやマンションなどは、夫名義であることが圧倒的に多いということを説明しました。
しかし、住宅ローンが残っているときは、銀行の承諾なしでは名義変更ができないので注意が必要です。
対処法としては、離婚協議書で「住宅ローン返済後すぐに名義変更する」などの条項を記載しておくなどです。
また、仮登記のみであれば認めてくれる銀行もあるので、このような場合は仮登記しておくのがおすすめです。
2人で解決できないときは弁護士に相談してみるのも一案
円満離婚で、財産分与も双方が納得のいく方向で解決することはもちろんあります。
しかし、お金の問題でもあるので、2人だけではなかなか話し合いが進まず解決できない……という場合も少なくありません。
そのような場合は、夫婦での揉め合いを続けるのではなく、思い切って法律のプロである弁護士に相談してみましょう。
弁護士に相談してみることで、「財産分与だけではなく離婚の悩みについてのアドバイスがもらえる」「揉めても代理交渉してくれる」などのメリットが数多くあります。
不動産査定書は必ず作っておくことが重要
離婚で住んでいた自宅やマンションなどを財産分与するときは、不動産の資産価値を調べておくことが大切です。
先述の通り、財産分与は2分の1ずつにするのが一般的ですが、不動産は簡単に半分に分けられません。
そのため、専門家に不動産の価値を査定してもらって資産価値を算出し、現金化したうえで分割する必要があるのです。
「不動産を売却するとき」「離婚する夫婦のどちらかが不動産を譲り受けるとき」は、専門家に相談して、正しく査定してもらうようにしましょう。
大阪府枚方市・寝屋川市・京阪沿線で不動産の査定書を作成してもらうなら「有限会社ライフステージ」
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大阪府枚方市・寝屋川市、京阪沿線で、
- 不動産の査定書を作って欲しい
- 離婚で不動産を売却したいので、金額がいくらになるか教えて欲しい
- 持ち家など、不動産についての相談がしたい
など、不動産のお悩みがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
監修 すえひろまさのり
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士
住宅ローンアドバイザー、ホームインスペクター
定借アドバイザー、少額短期保険募集の資格を持ち
不動産業界30年以上のキャリアの持ち主。
弁護士、司法書士との連携があり成年後見、任意売却
も得意とする。
土地や建物の査定・賃貸・売買・管理・改装工事など
今も自ら携わる、現場主義。