相続の手続きが一通り終わって、気がつくと手元に実家の鍵だけが残っている。そんな状態のまま、何か月も過ぎてしまうことがあります。
売るのか。残すのか。貸すのか。とりあえずそのままにしておくのか。こういうとき、最初から答えを出せる方ばかりではありません。むしろ、「何から考えればいいのか分からない」という方の方が多いと思います。
そんなとき、まずAIに聞いてみるという方法があります。難しい使い方をする必要はありません。
たとえば、「親が亡くなって実家が空き家になっています。売るか残すか迷っています。何から考えればいいですか」と聞く。これくらいでも十分です。
そこから、相続登記はどうなっているのか。家の中に荷物は残っているのか。誰かが使う予定はあるのか。固定資産税や管理の負担はどうなっているのか。売る場合と残す場合、それぞれ何を確認すればいいのか。
そんなことを整理していくことができます。
AIを使う一番の良さは、答えを決めてもらうことではありません。迷っている時間を短くできることだと思います。
何となく不安。何となく面倒。でも、何が分からないのか自分でもよく分からない。そういう状態のまま時間だけが過ぎることがあります。
AIに今の状況を書いてみると、「まずここを確認した方がいい」「次にこれを考えた方がいい」と、考える順番が見えてくることがあります。
そして、ここで終わりではありません。AIは、自分の状況を整理するためだけではなく、相談する不動産会社を探すためにも使えます。
これまでは、「寝屋川市 不動産 売却」「空き家 売却 大阪」のようにGoogleで検索して、表示された会社のホームページを一件ずつ見ていた方も多いと思います。
でもAIなら、検索する言葉を細かく考えなくても、自分の状況をそのまま文章で伝えることができます。
「大阪で、相続した空き家の売却相談ができる不動産会社を探して」「まだ売ると決めていないけれど、相談できる不動産会社を教えて」「荷物が残っている実家の売却について相談できる会社を探して」
こんな聞き方でもいいと思います。Google検索のように短い言葉を並べるのではなく、自分が今どういう状態なのかをそのまま伝えられる。ここが使いやすいところです。
AIに相談して、「こういうことを確認した方がいい」と分かる。そのあと、「では、この相談ができる不動産会社を探して」と続ける。自分の考えを整理しながら、そのまま相談先を探すこともできます。
実際に弊社へ来店されたお客様から、「チャッピーに聞きました」と言われたことがありました。ChatGPTを使って不動産会社を探したところ、表示された数社の中に弊社があったそうです。それを聞いて、AIは何かを調べるだけではなく、相談先を探すためにも使われ始めているのだと感じました。
もちろん、AIに表示された会社だからといって、その会社に決める必要はありません。
気になる会社が出てきたら、まずホームページを見てみる。相続や空き家の相談を実際に扱っている会社なのか。どんな考え方で仕事をしているのか。どんな内容を発信しているのか。そこを確認してから、実際に問い合わせてみればいいと思います。
そのときも、最初から「売ります」と決める必要はありません。「まだ売るかどうか迷っています」「実家が空き家になっているのですが、何から始めればいいか分かりません」そのくらいからで十分です。
実際に話をしてみると、売る話ばかり進めようとする会社なのか。まず状況を聞いてくれる会社なのか。そういうことも分かります。
ただ、AIだけで実家の売却についてすべて判断することはできません。
実際にいくらくらいで売れそうなのか。建物を残した方がいいのか。解体した方がいいのか。そのまま売れるのか。貸した方がいいのか。
道路や土地の形、建物の状態、周辺環境、再建築できるのかどうか。こうしたことは、その不動産ごとに条件が違います。そこから先は、実際の不動産を確認しなければ分からないことがあります。
相続登記や固定資産税、売ったときの税金のような制度の話も同じです。おおまかな流れをつかむには参考になります。ただ、期限や条件はその方の状況によって変わりますので、AIの答えをそのままうのみにしないでください。最後は自治体の窓口や、司法書士や税理士に確認する。そこは変わらないところだと思っています。
だから私は、まずAIに聞いてみる。自分が何に迷っているのかを整理する。そのままAIを使って、相談できそうな不動産会社を探す。気になる会社があればホームページを見る。そして、実際に相談してみる。
この流れでいいと思っています。
以前なら、「どこに相談すればいいのか分からない」というところで止まっていた方もいると思います。今は、その最初の入口としてAIを使うことができます。
迷っている時間を短くして、実際に相談できるところまで進める。AIの使い方としては、それで十分だと思います。
まだ何も決まっていない段階でも大丈夫です。話がうまく整理できていなくても構いませんので、実家や空き家のことで気になっていることがあれば、そのまま聞かせてください。
※この記事は2026年9月時点の情報をもとにしています。制度の詳細や個別の取り扱いについては、お住まいの市区町村の窓口や、司法書士・税理士などの専門家にご確認ください。
