任意売却


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住宅ローンの滞納が続くと何が起きるか。期限の利益の喪失と代位弁済の流れ

テーブルの上に、開けていない封筒が何通か重なっている。督促状という文字だけが目に入って、そのままにしてしまった。そういう状態の方も、いると思います。

中身を見るのがつらいときは、誰でも手が止まります。責められることでは、ありません。それでも、そこから先で何が起きるのかを知っておくと、封筒を開ける気持ちの準備はしやすくなります。今回はその流れを整理していきます。

まず知っておいてほしいのは、住宅ローンを滞納したからといって、すぐに家が競売になるわけではないということです。その前に、いくつかの段階があります。

最初は、金融機関から電話がかかってきたり、支払いを促す書類が届いたりします。口座への入金を忘れていたなど、一時的な遅れであれば、金融機関へ連絡し、指定された方法で支払うことで解消できる場合があります。

ただし、1回くらいなら何も問題はない、と考えない方がいいと思います。支払いが遅れた事実がどのように扱われるかは、金融機関や契約内容などによって違うからです。大切なのは、遅れたことに気付いたら、そのままにしないことです。

問題は、そこから滞納が続いていった場合です。金融機関から届く書類の内容も、少しずつ変わっていきます。

督促状や催告書など、支払いを求める書類が届くことがあります。滞納している金額や支払期限が書かれ、遅延損害金が加算される場合もあります。さらに、このまま支払いがなければ残っている住宅ローンを一括で請求することになります、という内容の通知が届く段階へ進むことがあります。

ここで出てくるのが、期限の利益という言葉です。少し分かりにくい言葉なので、簡単に説明します。

住宅ローンを3,000万円借りたからといって、翌月に3,000万円全部を返すわけではありません。毎月決められた日に、決められた金額を返していきます。契約どおり返済している限り、将来の返済日が来るまではその分をまだ払わなくていい、という利益があります。これが期限の利益です。

ところが、一定の条件に該当して期限の利益を失うと、これまでのような分割払いではなく、残っている住宅ローンをまとめて返してください、という状態になります。これを期限の利益の喪失といいます。

住宅ローンの滞納が続いている状態で、残っている住宅ローンを一括で返済できる方は、ほとんどいないと思います。では、一括返済できなければどうなるのでしょうか。

保証会社を利用している住宅ローンであれば、代位弁済という手続きへ進むことがあります。住宅ローンを借りるときに保証料を支払った記憶がある方もいると思います。その保証会社が、住宅ローンを借りている人に代わって、金融機関へ残っている債務を支払います。これが代位弁済です。

ただ、ここで勘違いしないでほしいことがあります。保証会社が払ってくれたから、住宅ローンがなくなるわけではありません。

金融機関に対する債務がなくなる代わりに、今度は保証会社から返済を求められることになります。しかも、今まで銀行へ毎月10万円払っていたから、これから保証会社へ10万円ずつ払えばいい、という単純な話ではありません。保証会社は、代位弁済した金額について返還を求める権利を持ちます。ここまで来ると、最初のころのような毎月の住宅ローン返済とは、状況が変わっています。

そして、この間にもう一つ考えておかなければならないのが、信用情報です。

住宅ローンの返済状況は、信用情報機関に登録されることがあります。例えばCICでは、返済日から61日以上または3か月以上の支払いの遅れがある場合などを異動としています。また、保証会社による保証履行が行われた場合も、信用情報に記録されることがあります。そうなると、新たにクレジットカードを作ったり、車や住宅などのローンを申し込んだりしたときの審査に影響する可能性があります。

では、ここまで進んだら、もう何もできないのでしょうか。そうとは限りません。ただし、最初のころと比べれば、選択肢は少なくなってきます。

まだ期限の利益を失う前で、滞納している金額を解消できるのであれば、まず金融機関に相談します。

ここで大切なのは、とりあえず別のところから借りて返せばいい、と考えないことです。滞納が始まる前の段階でできることは別の記事にまとめていますが、そこでも同じことを書きました。住宅ローンを払うために新たな借金を増やすと、住宅ローンだけだった問題が、カードローンやその他の借金にまで広がることがあります。

滞納している金額がいくらなのか。それを払えば正常な返済に戻れるのか。戻ったあと、毎月の住宅ローンを本当に払い続けられるのか。ここまで考える必要があります。

例えば、滞納分を何とか30万円払ったとしても、翌月から毎月10万円の住宅ローンを払えないのであれば、問題を一か月先送りしただけです。ですから、金融機関へ相談するときは、滞納分をどう払うかだけではなく、その後、毎月いくらなら返済できるのかまで一緒に考えることが大切です。

一方で、住宅ローンだけなら何とか払える。しかし、カードローンやクレジットなど、ほかの借金の返済が大きく、生活が回らなくなっている。そういう方もいます。

住宅ローン10万円。カードローン5万円。クレジットの返済3万円。その他の借入れ2万円。毎月20万円を返済していて生活ができない。こういう場合、住宅ローン以外の借金を整理することで家を残せないか、という考え方も出てきます。

その方法の一つが、個人再生です。個人再生には、一定の条件を満たせば、住宅ローンを返済しながら、住宅ローン以外の借金を整理し、自宅を残せる可能性がある制度があります。

ただし、個人再生をすれば家を必ず残せる、ということではありません。住宅ローンの状況。ほかの借金の金額。収入。自宅に設定されている担保。不動産の価値。さまざまなことを確認する必要があります。

そして、個人再生は裁判所を利用する法的な手続きです。ここから先は、不動産だけの知識では判断できません。債務整理は弁護士や司法書士の仕事であり、不動産会社の仕事ではありません。不動産会社ができるのは、不動産をどうするかという部分と、必要なときに専門家におつなぎするところまでです。個人再生がどういう制度で、どんな場合に家を残せる可能性があり、逆にどんな場合に難しいのかは、別の記事であらためて整理します。

いま自分がどの段階にいるのか、それ自体が分からないという方もいると思います。届いている書類の名前を読んでも、それが何を意味するのかは、なかなか分かりません。慌てなくて大丈夫です。

まだ何も決まっていない段階でも、状況を話すところから始められます。届いている封筒を一緒に確認して、いまどこまで進んでいるのかを整理するところからでも構いません。

※この記事は2026年9月時点の情報をもとにしています。制度の要件や金融機関の取り扱いは変わることがあります。個別の状況については、弁護士・司法書士・金融機関にご確認ください。

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個人再生で住宅ローンの家を残せるのか。住宅ローン特則の条件

ご相談の席で、返済予定表や通帳を並べながら、「住宅ローンだけなら、なんとか払えるんです」とおっしゃる方がおられます。困っているのは、そのほかの返済でした。

住宅ローンが10万円。カードローンが5万円。クレジットの返済が3万円。その他の借入れが2万円。毎月20万円を返しながら、生活が回らない。こういう状態です。

こうした場合に、選択肢の一つとして出てくるのが「個人再生」です。今回は、この制度について書いていきます。

個人再生は、裁判所を通じて借金を整理するための手続きです。自己破産とは違い、借金がすべてなくなるわけではありません。住宅ローン以外の借金について、法律で決められた基準に基づいて返済する金額を決め、原則3年間、事情によっては最長5年間で返していく計画を立てます。その計画が裁判所に認められ、計画どおり返済を続けると、残った借金について免除を受けられる仕組みです。

そして、個人再生には「住宅資金特別条項」、一般には「住宅ローン特則」と呼ばれる制度があります。一定の条件を満たせば、住宅ローンについては、ほかの借金とは別に扱い、返済を続けながら自宅を残せる可能性があります。これが、個人再生が家を残せる方法の一つとして挙げられる理由です。

先ほどの例でいえば、住宅ローンの10万円については返済を続けます。一方で、カードローン、クレジット、その他の借入れについては、個人再生によって返済する金額を減らせる可能性があります。毎月の負担を軽くしながら、住宅ローンを払い続ける。そんなイメージです。

ただ、個人再生をすれば住宅ローンも大幅に減る、ということではありません。ここは大切なところです。

住宅ローンは基本的に別枠です。住宅ローン特則を利用しても、住宅ローンそのものが免除されるわけではありません。滞納がある場合には、その滞納分についても対応する必要があります。一定の条件を満たせば、返済期間を延ばすなど、返済方法を調整できる場合もあります。ただし、どのような返済計画にできるかは、住宅ローンの状況などによって変わります。

そして、個人再生をすれば必ず家を残せる、というわけでもありません。いくつか確認しなければならない条件があります。

まず、自宅に設定されている担保です。住宅ローン特則を利用するには、自宅に住宅ローンを担保する抵当権以外の抵当権などが設定されていないことなどが条件になります。例えば、住宅ローンとは別の借入れをするために、自宅へ別の抵当権を付けている場合です。こうした場合は、住宅ローン特則を利用できるかどうか、専門家に確認する必要があります。

また、税金の滞納などによって差押えを受けている場合も、手続きを進めるうえで確認が必要です。ただし、差押えがあるから個人再生はできない、と一律には言えません。差押えの内容や現在の状況によって判断が変わります。

そのため、自宅を残す個人再生を考えるのであれば、土地と建物の登記事項証明書を確認しておく必要があります。住宅ローンの抵当権以外に、どのような登記が入っているのか。ここは大事なところです。

もう一つは、住宅ローン以外の借金の総額です。個人再生を利用するには、住宅ローンを除いた借金などの総額が5,000万円を超えていないことが必要です。一般の住宅ローン利用者で、そこまで借金があるケースは多くないと思います。ただ、事業をしていて事業資金の借入れなどがある方は、確認しておいた方がよいところです。

そして、今後も返済を続けられるだけの収入の見込みが必要です。個人再生は、借金をゼロにする手続きではありません。減額された借金を、決められた期間で返していく手続きです。そのため、今後も継続して収入を得られる見込みが必要になります。

個人再生には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という二つの手続きがあります。小規模個人再生では、将来にわたって継続的に収入を得られる見込みが必要です。給与所得者等再生では、それに加えて、給与など定期的で安定した収入があることが求められます。

また、住宅ローン特則を使える住宅にも条件があります。基本的には、自分が生活するために所有している住宅です。投資用マンションのように、最初から自分が住むためではない住宅について利用する制度ではありません。自宅の一部を店舗や事務所などに使っている場合には、その使い方も確認する必要があります。

つまり、自分名義だから使える、住宅ローンがあるから使える、という単純な制度ではありません。いくつもの条件を確認したうえで、この家について住宅ローン特則を使えるのかを判断する必要があります。

もう一つ、正直にお伝えしておきたいことがあります。

個人再生は、裁判所を利用する法的な手続きです。申立てに必要な書類も多く、債権者との関係や再生計画の作成など、専門的な判断が必要になります。特に住宅ローン特則を利用する場合は、住宅ローンの契約書、返済予定表、不動産の登記事項証明書なども確認しながら進める必要があります。

これは、弁護士や司法書士といった法律の専門家の仕事です。不動産会社が個人再生の手続きを行うわけではありません。

私は不動産の仕事をしていますので、自宅はいくらくらいで売れるのか。住宅ローンはいくら残っているのか。不動産にどのような権利が付いているのか。こうした不動産について確認することはできます。しかし、あなたは個人再生を利用できます、この条件なら住宅ローン特則を使えます、と法的な判断をする立場ではありません。ここは弁護士など法律の専門家に確認するところです。

寝屋川の事務所でも、不動産についての部分だけを整理して、そこから先は専門家におつなぎする、という関わり方をすることがあります。できることと、できないことの線は、はっきりしています。

もし、住宅ローンだけなら何とか払える、でも、ほかの借金の返済が重くて生活できない、という状況であれば、家を売ると決める前に、一度、個人再生という方法が使えないか確認する意味はあると思います。

そのときには、住宅ローン以外の借金はいくらあるのか。今後の収入はいくら見込めるのか。住宅ローンはいくら残っているのか。自宅に住宅ローン以外の担保が設定されていないか。差押えなどの登記がないか。こうしたことを整理して相談すると、話が進みやすくなります。

家を残す方法があるのに、知らないまま売ってしまう。それは避けたいところです。

一方で、個人再生を使っても毎月の住宅ローンそのものを払えないのであれば、家を残すことだけにこだわるのも違います。住宅ローンそのものの返済が難しい。住宅ローン特則の条件にも合わない。そうなれば、次の方法を考える必要があります。競売になる前に検討する任意売却については、別の記事にまとめています。

また、まだ滞納していない段階でできることや、滞納が続くと何が起きるのかについても、それぞれ別の記事で書いています。今がどの段階なのかによって、選べる方法は変わってきます。

相談が遅れるのには、理由があります。家のお金のことは、身近な人にほど言いにくいものです。誰にも話せないまま時間が過ぎることも、珍しくありません。責められることでは、ありません。

まだ何も決まっていない段階でも大丈夫です。個人再生を使うかどうかを決めてから来ていただく必要はありません。住宅ローンがいくら残っているのか。家はいくらくらいで売れそうなのか。ほかにどんな借入れがあるのか。そこを一緒に並べてみるだけでも、次に確認することが見えてきます。状況を話すところから始められます。

※この記事は2026年9月時点の情報をもとにしています。制度の要件や金融機関の取り扱いは変わることがあります。個別の状況については、弁護士・司法書士・金融機関にご確認ください。

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任意売却とは何か。競売との違いと、売却後に残る住宅ローン

「このまま払えなくなったら、家は競売にかけられるんですよね」。そう聞かれることがあります。競売しかない、と思い込んでおられる方は少なくありません。

住宅ローンの返済が難しくなったとき、競売の前に検討できる方法があります。任意売却です。今回は、この任意売却について書いていきます。

まず、任意売却が普通の売却と何が違うのかからお伝えします。

通常、住宅ローンを利用して購入した家には、「抵当権」が設定されています。抵当権とは、住宅ローンの返済ができなくなった場合に備えて、金融機関などがその不動産を担保として確保している権利です。普通に家を売る場合は、売却代金などで住宅ローンを完済し、抵当権を抹消してから買主へ引き渡します。

例えば、住宅ローンの残りが2,000万円で、家が2,500万円で売れた。この場合、売却代金から住宅ローン2,000万円を返済すれば、住宅ローンを完済できます。そのうえで抵当権を消し、買主へ所有権を移します。

では、住宅ローンの残りが2,500万円で、家を売っても2,000万円にしかならない場合はどうなるのでしょうか。売っても500万円足りません。

普通の売却であれば、不足する500万円を自分で用意するなどして、住宅ローンを完済しなければ抵当権を消すことができません。しかし、住宅ローンの支払いがすでに難しくなっている方が、500万円を用意するのは簡単ではありません。

そこで出てくるのが、任意売却です。

債権者と話し合い、売却しても住宅ローンを完済できない状態で、売却価格や売却条件などについて同意を得たうえで抵当権を抹消してもらい、家を売却します。これが任意売却です。

住宅ローンを全部返せないのに、なぜ金融機関などは抵当権を消してくれるのか。そう思われるかもしれません。理由の一つは、競売より任意売却の方が、高く売れることが期待できるからです。

競売は、裁判所の手続きによって不動産を売却する方法です。一方、任意売却は、一般の不動産売買に近い形で買主を探します。住宅金融支援機構も、任意売却は通常の不動産取引として売買されるため、一般的に競売より高値で売却できることが期待され、負債の縮減につながると案内しています。

金融機関など債権者にとっても、できるだけ多く回収できる方がよい。住宅ローンを借りている本人にとっても、高く売れれば、その分だけ売却後に残る借金を減らせる可能性があります。双方に任意売却を検討する理由があります。

ただし、ここで一つ、大切なことがあります。

任意売却をすれば、住宅ローンがすべてなくなるわけではありません。

先ほどの例で、住宅ローンが2,500万円残っていて、家が2,000万円で売れた。諸費用などを考えず単純に計算しても、500万円は残ります。この残った借金は、家を売ったからといって自動的になくなるわけではありません。売却後に残った債務をどう返済していくのかについては、債権者と話をしていくことになります。

つまり、任意売却をすれば住宅ローンがなくなる、ということではありません。家を売って住宅ローンの残りをできるだけ減らし、その後の生活を立て直していく、という考え方です。

また、住宅ローン以外にも抵当権などが設定されている場合があります。その場合は、売却するために消す必要がある抵当権などについて、それぞれの債権者との調整が必要になります。一つの金融機関だけと話せば終わる場合もあれば、複数の債権者との調整が必要になる場合もあります。関係する債権者が増えるほど、話が複雑になることがあります。

では、任意売却と競売では何が違うのでしょうか。

まず、売却の進め方です。任意売却では、通常の不動産売却と同じように、不動産会社が物件を売り出し、購入希望者を探します。もちろん、売却価格などについて債権者の同意が必要なので、所有者が何でも自由に決められるわけではありません。それでも、買主との契約や引渡し時期などについて相談しながら進められる余地があります。

一方、競売は裁判所の手続きによって進んでいきます。買受人が決まり、代金が納付されたあと、一定の条件を満たせば、買受人からの申立てによって裁判所が引渡命令を出す制度もあります。所有者自身が、この人に、この金額で売りたい、と買主を選んで進める売却ではありません。

次に、売却価格です。任意売却は一般の不動産市場で買主を探すため、競売より高い価格で売却できることが期待できます。ただし、任意売却なら必ず市場価格で売れる、競売なら必ず何割安くなる、というものではありません。物件の場所や状態、市場の動き、売却までに残された時間などによって価格は変わります。

大切なのは、少しでも高く売ることができれば、その分だけ残る住宅ローンを減らせる可能性があるということです。

もう一つは、売却の見え方です。競売になると、物件について裁判所の競売情報として公開されます。任意売却であれば、一般の中古住宅などと同じような形で販売活動を行います。外から見ただけでは、この家は住宅ローンを滞納して任意売却をしている、とは通常分かりません。こうした違いもあります。

ただし、任意売却にも注意しなければならないことがあります。その一つが、時間です。

任意売却は、不動産会社へ相談する。物件を調査する。債権者と調整する。売却価格を決める。販売する。買主を見つける。購入条件について債権者の同意を得る。売買契約を結ぶ。決済して抵当権を抹消する。こういう流れで進みます。すぐに終わるものではありません。

すでに競売の手続きが始まっている場合でも、任意売却が成立する余地が残っていることはあります。しかし、競売の手続きも同時に進んでいきます。買主を見つけたものの間に合わなかった。債権者との調整がまとまらなかった。売却価格について同意が得られなかった。そうなれば、任意売却が成立しないまま競売へ進むこともあります。

ですから、競売の通知が来てから考えればいい、ということにはなりません。任意売却を考えるのであれば、早く動いた方が、売却するための時間を確保できます。急かしたいわけではありません。使える時間が長いほど、選べる道が多い。それだけの話です。

そして、今回いちばんお伝えしたいのが、どの不動産会社に相談するのか、ということです。

任意売却は、普通に家を売るだけではありません。不動産を販売する知識に加えて、住宅ローンや抵当権、債権者との調整についての経験も必要になります。

金融機関や保証会社とのやり取りをしたことがあるか。複数の債権者がいる場合の調整を経験しているか。住宅ローンの残額と不動産の売却価格を見て、現在の状況をきちんと説明してくれるか。売却することだけではなく、その後の生活まで考えて話をしてくれるか。ここを見た方がよいと思います。

私は寝屋川で不動産の仕事をしていますが、この点については地域に関係なく同じだと思います。

また、任意売却について調べると、「引っ越し代を確保します」「退去費用をお渡しします」といった広告の文句を目にすることがあります。たしかに任意売却では、債権者との調整の中で、転居に必要な費用について相談できる場合があります。ただし、これは認められることもある、という程度の話です。必ず出るものではありませんし、金額も案件によって違います。ですから、必ずこれだけ受け取れます、と最初から言い切る説明には、少し慎重になった方がいいと思います。

良い話だけではなく、売却後に住宅ローンが残る可能性がある。任意売却が成立しないこともある。希望する退去費用が認められないこともある。最終的には競売になる可能性もある。こうした厳しい部分も含めて説明してくれる相手を選ぶことが大切だと思います。

住宅ローンの支払いが厳しくなったときに考えられる方法は、段階によって変わります。まだ滞納していないのであれば、早めに金融機関へ相談する。滞納が始まってしまったら、今どの段階まで進んでいるのか確認する。住宅ローン以外の借金が生活を圧迫しているのであれば、個人再生などで家を残せる方法がないか確認する。それぞれについては、別の記事にまとめています。そして、それでも住宅ローンそのものを払い続けることが難しいのであれば、競売になる前に任意売却という方法を考える。今回の話は、その段階のものです。

なお、所有権を手放したあとも今の家に住み続ける方法があるのかという点についても、別の記事で書いています。

最初から、家を売るしかない、と決める必要はありません。反対に、何が何でも家だけは残す、と決める必要もありません。今の状況を確認して、その段階で使える方法を一つずつ考えていく。それでも家を残すことが難しければ、できるだけ良い条件で売却して、次の生活へ進む。それも大切な選択だと思います。

ここまで来るのに時間がかかった、という方もおられます。返済のことは人に言いにくいものですから、そうなるのは自然なことだと思います。責められることでは、ありません。

任意売却をするかどうかを、相談の前に決めておく必要はありません。住宅ローンがいくら残っているのか。家はいくらくらいで売れそうなのか。ほかに担保が付いていないか。そこを一緒に確認するだけでも、次に考えることが見えてきます。まだ何も決まっていない段階でも、状況を話すところから始められます。

※この記事は2026年9月時点の情報をもとにしています。制度の要件や金融機関の取り扱いは変わることがあります。個別の状況については、弁護士・司法書士・金融機関にご確認ください。

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任意売却のあとも今の家に住み続ける方法。リースバックの注意点

「売るのは仕方ないと思っています。ただ、できればこの家から出たくないんです」。そうおっしゃる方がおられます。理由は人それぞれですが、住む場所だけは変えたくないという気持ちは、よく分かります。

家を売却しなければならない。でも、できることなら今の家には住み続けたい。この希望に対して、方法がまったくないわけではありません。その一つが、「リースバック」です。

リースバックとは、自宅を売却したあと、その買主と賃貸借契約を結び、家賃を払いながら同じ家に住み続ける方法です。所有者ではなくなりますが、引っ越さずに生活を続けられる可能性があります。国土交通省も、リースバックを、住宅を売却して現金を得たあと、毎月賃料を支払うことで、それまで住んでいた住宅に引き続き住む仕組みとして説明しています。

任意売却の場合でも、債権者が売却条件に同意し、買主との条件もまとまれば、こうした形を検討できる場合があります。任意売却そのものについては、別の記事にまとめています。

ただ、先に正直なところをお伝えしておきます。リースバックは、希望すれば必ず成立する方法ではありません。売却価格や家賃の条件が合わなければ、話はまとまりません。買う人が見つからないこともあります。任意売却の中で行うのであれば、債権者の同意も必要になります。住み続けられます、と言い切れる方法ではない。そこを知ったうえで読んでいただきたいと思います。

10年ほど前にまとめた小冊子で、私は「親族に買ってもらう」という方法を紹介していました。信頼できる親族に自宅を購入してもらい、その方から家を借りて住み続ける。所有権はいったん親族へ移りますが、生活する場所そのものは変わりません。将来、生活を立て直したときに、もう一度買い戻すことまで考えることもできます。

ただし、親族に買ってもらえば解決する、というほど単純ではありません。

まず考えなければならないのが、売却したあとの家賃です。リースバックになると、それまでの住宅ローン返済ではなく、今度は買主に対して毎月家賃を払います。

ここで大切なのは、今の家に住み続けられるか、だけではありません。

その家賃を、これからも払い続けられるのか。こちらの方が大切です。

例えば、住宅ローンの月々の返済が10万円で苦しくなったため、自宅を売却した。ところが、売却後の家賃が12万円になった。それでは、家を売ったにもかかわらず、毎月の住居費は以前より高くなります。何のために売却したのか分からなくなってしまいます。

リースバックの家賃は、物件の売却価格や買主の考え方、契約条件などによって決まるため、一律にこのくらい、とは言えません。だからこそ契約する前に、売却するといくら手元に残るのか。毎月の家賃はいくらなのか。その家賃をこれから何年も払い続けることができるのか。ここまで計算しておく必要があります。売却したときに受け取れる金額だけを見て決めるのではなく、その後に毎月支払う家賃まで含めて考えることが大切です。

もう一つ、注意したいのが買戻しです。

今は売るしかない。でも、いつか買い戻したい。そう考える方もいると思います。リースバックによっては、将来の買戻しについて条件を決めることができます。しかし、リースバックだから、あとで当然に買い戻せる、というわけではありません。

買戻しを考えているのであれば、いつまで買戻しができるのか。いくらで買い戻すのか。どのような条件を満たせば買い戻せるのか。その間に買主が第三者へ売却した場合はどうなるのか。こうしたことを契約する前に確認しておく必要があります。

口頭で、生活が落ち着いたら買い戻せますよ、と言われただけでは十分ではありません。将来もう一度売買することをあらかじめ決めておく「再売買の予約」という方法などもあります。どの方法を使うにしても、大切なのは、将来買い戻したいのであれば、その条件を口約束だけにしないことです。

そして、もう一つ。買戻し価格が、最初に売った価格と同じとは限りません。買主側の取得費用や保有期間、契約条件などによって、売却したときより高い価格になることもあります。ですから、今は2,000万円で売って、将来2,000万円を用意すれば戻せる、と最初から考えない方がよいと思います。買戻し価格はいくらなのか。その金額を将来自分が本当に準備できるのか。そこまで確認したうえで考える必要があります。

親族に買ってもらう場合には、さらに別の注意点があります。例えば、身内だから1,000万円の家を500万円で売ればいい、と簡単に決めることはできません。個人間で不動産を著しく低い価格で売買した場合、実質的に贈与を受けたと判断され、時価と売買価格との差について贈与税の問題が出る場合があります。親族だから自由に価格を決めてよい、ということではありません。

また、親族が購入するために融資を利用する場合も、金融機関が親族間売買についてどのように判断するかを確認する必要があります。親族が買主だから安心、不動産会社を通さなくてもいい。そう考えず、売買価格や税金、融資、その後の賃貸借契約まで含めて確認した方がよいと思います。

親族だからこそ、書面にしておいた方がいいこともあります。毎月の家賃はいくらなのか。いつまで住めるのか。設備が壊れたときの修理費は誰が負担するのか。将来買い戻す場合の条件をどうするのか。固定資産税は原則として所有者が納めますが、修繕や管理については、誰がどこまで負担するのかを決めておいた方がよいでしょう。

今は家族関係が良くても、5年後、10年後に状況が変わることがあります。家族だから口約束でいい、とは考えない方がいいと思います。

次に、任意売却でよく聞く「退去費用」についてです。

任意売却について調べていると、引っ越し代がもらえる、退去費用を確保できる、という説明を目にすることがあります。実際、債権者との調整の中で、転居に必要な費用について相談できる場合はあります。しかし、任意売却をすれば必ず引っ越し代が出るわけではありません。決まった相場もありません。債権者、売却価格、残っている住宅ローン、売却に必要な費用、そのほかの債権者との関係。さまざまな条件によって変わります。

ですから、○○万円は必ず取れます、という言葉を前提に、次の生活を考えない方がいいと思います。認められれば助かる。しかし、認められなくても引っ越しできるように準備しておく。そのくらいに考えておいた方が安全です。

では、任意売却がまとまらなかった場合はどうなるのでしょうか。その先には、競売があります。

競売の申立てがされ、裁判所が競売開始決定をすると、不動産について差押えの登記がされます。その後、執行官による現況調査が行われます。執行官は実際に物件を確認し、誰が住んでいるのか。どのような状態で使われているのか。どのような権利で占有しているのか。といったことを調査します。建物内の写真が撮影されることもあります。また、不動産の評価については、裁判所が選任した評価人による調査が行われます。

こうした調査などをもとに、「現況調査報告書」「評価書」「物件明細書」という資料が作られます。いわゆる競売の3点セットです。

現況調査報告書には、不動産の現在の状況や占有している人の状況、写真などが掲載されます。評価書には、周辺環境や不動産の評価額などが記載されます。物件明細書には、競売で購入したあとも引き継ぐことになる権利があるかなど、買受けを検討する人にとって重要な内容が記載されています。これらの資料は、裁判所の不動産競売物件情報サイト「BIT」でも公開されています。つまり、競売まで進むと、不動産についての情報が一般に公開されることになります。

その後、裁判所が定めた期間に入札が行われます。入札期間が終わると開札が行われ、最も高い価格で入札した人について、裁判所の審査を経て売却許可決定が出されます。売却許可決定が確定すると、買受人には代金を納める期限が指定されます。特別な理由がなければ、売却許可決定が確定してから1か月以内の日が代金納付期限として指定されます。そして、買受人が代金を納付すると、その時点で不動産の所有権は買受人へ移ります。

そのあとも元の所有者が住み続けている場合には、買受人から明渡しを求められることになります。条件を満たせば、買受人が裁判所へ「引渡命令」を申し立てることもできます。引渡命令が出ても自分から退去しなければ、その後、強制執行へ進む可能性もあります。ここまで来ると、もう少しこの家に住みたい、引っ越しの準備ができていない、という所有者側の事情だけで、手続きを止めることは難しくなります。

競売開始決定が出たあとでも、任意売却ができる可能性が残っている場合はあります。しかし、入札が始まってからでも何とかなる、と考えない方がいいと思います。競売の手続きは止まらず進んでいます。任意売却には、買主を見つけるだけではなく、債権者との調整、売買契約、そして決済まで終わらせる時間が必要です。時間がなくなるほど、できることは減っていきます。

こう書くと不安にさせてしまうかもしれませんが、脅すつもりはありません。段階によって使える方法が変わる、というだけのことです。

住宅ローンの支払いが厳しくなった。まだ滞納していない。この段階なら、金融機関への相談ができます。滞納が始まった。それでも、できることがあります。住宅ローン以外の借金が重いのであれば、個人再生という方法が使えないか確認する。家を残すことが難しければ、任意売却を考える。所有権を手放しても今の家に住み続けたいのであれば、リースバックや親族に購入してもらう方法を検討する。そして、どの方法もまとまらなければ、競売へ進む可能性があります。それぞれの段階については、別の記事でも書いています。

どの段階でも、これさえすれば大丈夫、という方法はありません。家を残すことを一番に考えるのか。今の家に住み続けることを一番に考えるのか。毎月の住居費を減らして生活を立て直すことを一番に考えるのか。人によって答えは違います。

住宅ローンで困ったとき、家を売るか残すかを最初に決める必要はないと思います。まず、今、どの段階にいるのか。住宅ローンはいくら残っているのか。家はいくらくらいで売れるのか。毎月いくらなら住居費として払えるのか。ほかに借金はあるのか。そして、この先どう暮らしていきたいのか。一つずつ整理してから決める。

その小冊子を書いたとき、私は「できるだけ家を守る」ということを強く考えていました。今も、残せるのであれば残す方法を考えたいという気持ちは変わりません。ただ、今なら一つ付け加えます。

家を守ることより先に、生活を守る。

そのうえで、家も残せる方法があるなら考える。どうしても難しければ、売却して生活を立て直す。それも間違った選択ではないと思います。

相談が遅くなるのには、理由があります。家とお金のことは、身近な人にほど言いにくいものですから。責められることでは、ありません。慌てなくて大丈夫です。ただ、誰にも話せないまま一人で抱えておく必要も、ありません。

リースバックができるかどうかも、任意売却で条件がまとまるかどうかも、話を聞かないと分かりません。逆に言えば、状況を並べてみれば、今の段階で選べる方法は見えてきます。まだ何も決まっていない段階でも、状況を話すところから始められます。

※この記事は2026年9月時点の情報をもとにしています。制度の要件や金融機関の取り扱いは変わることがあります。個別の状況については、弁護士・司法書士・金融機関にご確認ください。

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住宅ローンが払えない。競売の前に、家を残せる方法から確認する

返済日が近づくと、通帳の残高を何度も確かめてしまう。金融機関から届いた封筒を、開けないまま置いてある。電話が鳴ると、どこからの番号かを先に見てしまう。

住宅ローンの支払いが厳しくなると、こういう日が続きます。誰にも言えないまま月末が来て、また次の月末が来る。相談が遅れるのには、それぞれ理由があります。責められることでは、ありません。

この記事から何回かに分けて、住宅ローンの支払いが難しくなったときに何が起きるのか、そして競売になる前にどんな方法を考えることができるのかを書いていきます。

道の選び方は、いくつかあります。何もしないまま、時間が過ぎるのを待つ。住宅ローンの支払いを止めたまま、手続きが進んでいくのを待つ。弁護士など法律の専門家に相談して、債務整理や自己破産、個人再生などを考える。不動産会社に相談して、売却や任意売却を考える。

ただ、どの道を選ぶにしても、先に確かめておきたいことがあります。家を手放すことに対して、気持ちの整理はついていますか。そんなに簡単に手放しても、悔いは残りませんか。

まだ、手放さずに済む方法を確認していないのではないでしょうか。

私は、マイホームを手放すことを先に考えるよりも、手放さずに住み続けられる方法がないかを、まず確認したいと思っています。できることを確認してから、それでも難しいのであれば売却を考える。その順番でも遅くはありません。

もちろん、これからお話しする方法で、すべての方が家を残せるわけではありません。収入も違います。住宅ローンの残高も違います。家の価格も違います。滞納している期間も違います。

何より、その家をこれからも残したいのか、それとも一度手放して生活を立て直したいのか。考え方も人によって違います。ですから、このシリーズで書く方法が100%の正解というわけではありません。いくつもある選択肢の中の一つとして読んでいただければと思います。

もし今すでに気持ちの整理がついていて、マイホームを手放し、新しい生活を始める決断ができているなら、無理に家を残す必要はありません。家を持ち続けることだけが、生活を守る方法ではないからです。

もう一つ、これだけは先にお伝えしておきたいことがあります。

マイホームを手放さないために、借金と引き換えに自分の命を絶つようなことは、絶対にしないでください。

家のことより先に、話を聞いてくれるところがあります。

よりそいホットラインは 0120-279-338、#いのちSOS は 0120-061-338 です。どちらも通話料はかかりません。よりそいホットラインと#いのちSOSは24時間つながります。お金のことでも、暮らしのことでも、まず話を聞いてもらえます。

家をどうするかは、そのあとで構いません。

家を残すことよりも、家族の生活の方が大切です。もし今、思い詰めてしまうほど追い込まれているのであれば、家のことより先に、専門の相談窓口や周囲の人を頼ってください。

住宅ローンの問題は、方法を探すことができます。

今まで家族で暮らしてきた家。家族の思い出が詰まった部屋。子どもの成長とともに過ごしてきた空間。できることなら大切にしたいと思うのは、自然なことだと思います。

手放さず、そのまま住み続けられる方法があるのなら、一度は確認してみる。最終的に手放すことになったとしても、できることを確認してから決めた方が、後悔は少ないと思います。

では、なぜ住宅ローンの支払いが難しくなったのでしょうか。ここを最初に考える必要があります。

会社の業績が悪くなって収入が減った。転職して給与が下がった。病気やけがで働けない期間があった。子どもの教育費など、家計の支出が増えた。住宅ローンを組んだ当時とは、生活そのものが変わってしまった。理由はいろいろあります。

ここで一つ、少し厳しいことも書きます。

もし住宅ローンを組んだ当初から、毎月の返済がぎりぎりだったのであれば、家を残すことだけにこだわらない方がよい場合があります。これから収入が増える見込みがあるなら話は別です。しかし、今後も現在の収入が続き、住宅ローンを払うたびに生活費が足りなくなるのであれば、無理を重ねることが本当に家族のためになるのかを考える必要があります。

売却する。場合によっては任意売却を検討する。そして生活を立て直す。それも一つの方法です。

任意売却では、売却条件や債権者の判断などによって転居に必要な費用が認められる場合もありますが、必ず受け取れるものではありません。そこを最初から当てにしてはいけません。

一度家を手放したからといって、そこで終わりでもありません。生活を立て直し、将来また無理のない返済額で購入できる住まいを考えることもできます。

ただ、「何年経てば必ず住宅ローンが組める」とは言えません。信用情報の登録期間だけではなく、その時点での収入、勤務状況、年齢、自己資金、借入れの状況、金融機関の審査基準などによって変わるからです。

一方で、これまでは問題なく住宅ローンを払えていた。ところが、何らかの事情で最近になって返済が厳しくなった。まだ滞納していない。あるいは、遅れ始めたばかり。この場合は、できることが残っている可能性があります。

住宅金融支援機構でも、収入の減少などによって返済が難しくなった場合に、返済期間の延長などによって毎月の返済額を減らす返済方法変更のメニューを設けています。もちろん、すべての住宅ローンで同じ対応になるわけではありませんし、申し込めば必ず変更してもらえるわけでもありません。金融機関や住宅ローンの商品、現在の返済状況によって対応は異なります。

だからこそ、まだ滞納していない、あるいは滞納が始まったばかりの段階で、借入先に相談することが大切です。この段階で具体的に何をすればいいのかは、別の記事にまとめています。

最後に、一つだけ触れておきたいことがあります。

住宅ローンの返済に困り始めると、任意売却を扱う不動産会社や、債務整理を扱う法律事務所など、さまざまな相談先が目に入るようになります。

私自身も、大阪の寝屋川市で不動産会社をしていて、住宅ローンの返済が難しくなった方から相談を受け、任意売却を扱うことがあります。売買が成立すれば、仲介手数料をいただきます。仕事として行っている以上、そこに報酬が発生すること自体は普通のことです。

だからこそ、相談する側には一つ知っておいてほしいことがあります。

相談した相手が、「この家を残せる方法はないか」まで一緒に考えてくれているのか。それとも、「どうやって売るか」から話が始まっているのか。ここは分けて見た方がよいと思います。

それから、もう一つ。債務整理や自己破産、個人再生は、弁護士や司法書士の仕事です。不動産会社の仕事ではありません。不動産会社ができるのは、不動産をどうするかという部分と、必要なときに専門家におつなぎするところまでです。ここは、はっきりさせておきたいところです。

家を残せるのか。売った方がよいのか。法的な手続きを考えた方がよいのか。最初から答えを一つに決めるのではなく、現在の状況を整理してから考える。お伝えしたいのは、これです。

何もしないで待つのか。今のうちに確認して動くのか。動くのであれば、まだ選べる方法が残っているかもしれません。

まだ何も決めていない段階でも大丈夫です。返済表や残高の正確な数字が手元にそろっていなくても構いません。いまどういう状況で、これから何が心配なのか。それを話すところから始められます。

慌てなくて大丈夫です。ただ、確認だけは早いほど、選べる道が多く残ります。

※この記事は2026年9月時点の情報をもとにしています。制度の要件や金融機関の取り扱いは変わることがあります。個別の状況については、弁護士・司法書士・金融機関にご確認ください。

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